今回はPostgreSQLの設定を変更し、OpenDolphinとORCAの連結を行い、
正式版OpenDolphinクライアントのインストールを試みる。
まず、設定の変更を行うために、以下のコマンドを入力し、ORCAを終了した。
$sudo service jma-receipt stopまた、ファイルを編集するためにプログラムのバージョン確認が必要であったので、以下のコマンドを実行し、バージョンの確認を行った。
$psql --versionコマンドを入力すると、図1のような画面が表示され、PostgreSQLのバージョンが「9.5.12」であることが分かった。
図1 PostgreSQLバージョン表示 |
次に、PostgreSQLの設定ファイルの修正を行う。修正対象のファイルは以下の2つである。
- postgresql.conf
- pg_hba.conf
/etc/postgresql/9.5/main/前者に対しては、PostgreSQLが待ち受けるIPアドレスを任意のアドレスに変更する。
なお、ファイルの修正に先立ち、あらかじめ以下のコマンドを入力してバックアップを取っておく。
sudo cp /etc/postgresql/9.5/main/postgresql.conf /etc/postgresql/9.5/main/postgresql.conf.bkそしてテキストエディタ vi を使ってpostgresql.confを開く。
$sudo vi /etc/postgresql/9.5/main/postgresql.confすると、図2のようにpostgresql.confの編集画面が開く。
図2 postgresql.confの編集 |
また、localhostを*に変更した処理は、どのPCからでも接続が可能な状態に変更するためである。
また、viでは「x」で削除、「i」で挿入処理を行うことになる。修正作業を行った後は、ESCキーを入力した後「:wq」を入力することで変更の保存を行う。また、誤って入力をしてしまった場合はESCキーを入力した後「:q!」で設定を保存せず強制終了できるので、覚えておきたい。
修正が完了したものが図3のようなものになる。
図3 修正後のpostgresql.conf |
postgresql.confの変更が完了したので、次はpg_hba.confの変更を行う。この設定ファイルに対しては、アクセス権の設定を行う。なお、例によって以下のコマンドを入力し、予めバックアップを用意しておく。
sudo cp /etc/postgresql/9.5/main/pg_hba.conf /etc/postgresql/9.5/main/pg_hba.conf.bkそして、postgresql.comfと同じように以下のコマンドを入力し、編集を行う。
sudo vi /etc/postgresql/9.5/main/pg_hba.confすると、図4のようにhba.confの画面が表示された。
図4 pg_hba.confの修正 |
ここで、図4の黄色いラインマーカで示したように
host all all 127.0.0.1/32 md5をコメントアウトして 、その代わりに
host all all 0.0.0.0/0 trustを挿入した。これは、TCP/IP経由での接続に対して、すべてのデータベース(最初のall)に対して、すべてのユーザ(2番目のall)が、無条件(trust)で接続できることを表している。
なお、新しい行を追加するのは、行末にカーソルを移動させ「a」を押下して改行すればよい。また、誤った行を追加してしまった場合は「dd」と入力すると、その行を削除することができる。二つのファイルの編集が終了したので、OpenDolphinとORCAをCLAIMでつなぐ処理を実行した。実行コマンドは以下の通りである
$sudo dpkg-reconfigure jma-receiptエンターを押し、実行すると設定画面が表示される。画面の手順に従い、以下の図5,6,7,8のように処理を行う。
図5 ORCAの再設定画面(その1) |
図6 ORCAの再設定画面(その2) |
図7 ORCAの再設定画面(その3) |
図ORCAの再設定画面(その4) |
$sudo service jma-receipt startまた、本来ならば望ましくないのだが、通信を行う上で不具合が生じる可能性があるので、以下のコマンドを入力し、ファイアウォールの設定を無効にしておく。
$sudo ufw disable
OpenDolphinクライアントのインストールと設定
OpenDolphinクライアントを以下のサイトからダウンロードする。https://i18n.opendolphin.com/dolphin/client/OpenDolphin.zipダウンロード後、ZIPファイルを解凍してクライアントを起動する。以前「OpenDolphin評価版」の設定をした際のように、今回もOpenDolphinの設定を行っていく。
図9 OpenDolphinの設定(サーバ) |
図10 OpenDolphinの設定(レセコン) |
ORCAの接続情報を設定する
業務メニュー画面の「91 マスタ登録」をクリックし、「101 システム管理マスタ」を選ぶ。そして、「9000 CLAIM接続」を選択して、Enterを数回押して、確定する。
図11 Opendolphin画面 |
これらの設定を行って、ORCAで患者受付を行うと、無事にOpenDolphinの患者受付の画面に受付患者が表示された(図12)。これでOpenDolphinとORCAの連携が完成した。次回はOpenDolphinでユーザ登録を行ったり、OpenDolphinで入力したオーダがORCAにどのように反映されるかを具体的にデータを入力しながら確認する。
図12 OpenDolphinとORCAの連携 |
【Tips】
システム構成
システム構成図を下図に示す。図13 システム構成図 |
- ORCAサーバ
- ORCAが利用するデータベースサーバ(PostgreSQL)
- Docker
- dolphin-server
- dolphin-db
dolphin-serverはOpenDolphinの実行環境であるWildflyが動いているコンテナで、外部からはポート番号8080で通信できる。
コンテナ間には172.17.0.0/255.255.255の仮想的なネットワークが構築され、dolphin-dbには172.17.0.2が、dolphin-serverには172.17.0.3が割り当てられ、デフォルトゲートウェイは172.17.0.1になっている。
ネットワーク環境は ifconfig コマンドで確認できる。
図14 ifconfigコマンド実行結果 |
Docker上で動いている各コンテナに割り当てられているIPアドレスは docker inspect コマンドで確認できる。
図15 docker inspect で IPアドレスを確認(dolphin-dbの場合) |
PostgreSQLのログ
PostgreSQLのログは、/var/log/postgresql/ の中にある。図16 PostgreSQLのログ |
sudo tail -f postgresql-9.5-main.logなお、表示を停止するには Ctrl+C を入力すればよい。
PostgreSQLクライアント
psqlコマンドはPostgreSQLクライアントである。psqlコマンドはTeraTermから入力できる。以下はユーザ postgres でローカルホスト上にあるPostgreSQLサーバに接続するためのコマンドである。
psql -h localhost -U postgres --passwordオプション
-h: ホストを指定
-U: ユーザ名
--password: パスワードをキーボード入力する
以下が実際に接続しているところをキャプチャしたものである。
図17 PostgreSQLクライアント(psql) |
\l ・・・データベース一覧を表示する
\c・・・データベースに接続する
\d・・・テーブル一覧を表示する
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